2009年8月23日日曜日

ジャイロ出力から角速度

 ジャイロセンサはドリフトがあり,ゼロ点がきっちり決まらないという点でやや使いにくい.角速度が知りたいだけなら問題にならなくても本当にほしい情報はその積分値である角度なので,ゼロ点のずれはわりと効いてくる.
 電圧出力のジャイロの場合,AD変換によって得られた値sから角速度ωを計算するには,
   ω = k * (s - s0)
となる.kは比例定数,s0はω=0(マウスが停止している状態)におけるAD変換値.10bit分解能のAD変換器を使うとs0は500程度の値を示すが,真の値が499.8だった場合0.2の誤差が生じ,積分すると相当な大きさになることがある.
 この場合には,
   ω = k/10 * (s*10 - 4998)
とするなどして十分な精度を確保する.

 これはジャイロセンサに限った話ではないが,エンコーダの場合は速度0でカウント0を示すし,積分しなければちょっとずれていても問題にならないからジャイロ特有といってしまってもよく,わりと見落としがちかもしれない.

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