2009年9月16日水曜日

高加速度化

 最近マイクロマウスの加速・減速が鋭くなってきている.今年は1gを超えるのが普通になるかもしれない.そうすると確かにこういう話がでてくる.今までは旋回半径は制御可能な限り大きくとる方針で良く,どれだけ大きな半径で安定に走行できるかがポイントであった.一方,直進の加速度が大きい場合には最適な旋回半径が存在して,それより大きくても小さくても全体の走行時間は長くなる.かもしれない.

 まあこの問題については数ヶ月前に考察した.従来の考え方の方が都合がいいなあと思いながらいい加減に考えただけだが,たしかまだ最適な旋回半径を考える必要は無かった.確実ではないが.しかし,15m/s^2とかになると考え直す必要があるかも.

 5号機は思いっきり旋回半径拡大の方向で進んでいるので考え直したくはない.

11 件のコメント:

福井 さんのコメント...

クロソイド曲線は解析的には解けないので,最適経路は数値計算で求めるしかない・・・
直線→弧→直線だったら解析的に求めることが出来そう.

福井 さんのコメント...

というわけで,歯車やさんを投げておきますね.信電舎.デフォルトで歯車の内径が1.5なのが激アツです.もうブッシュを作ったり,歯車自体を特注したり,ボンドで埋めたり,海外の歯車をあさる必要はありません...

kojima さんのコメント...

まあ直線→円弧→直線でもとりあえずはいいでしょう.それよりも,旋回半径と旋回角度を与えたときに旋回速度を決定することができないことかな.

> というわけで,歯車やさんを投げておきますね.
どうも.
確かによさげな歯車が...ただ値段が高い?

福井 さんのコメント...

旋回速度は一意に求めることが出来ると思います.
つまり,摩擦力の限界によるスリップ・スライドと,遠心力による回転力を比べて,先に限界が来る側であわせればOKだと思います.

福井 さんのコメント...

あと,理論的にはクロソイド曲線の入り始めがもっとも厳しい状況なので,そこにあわせて減速・加速を計算すれば,少なくとも直線>円>直線に対する最適な回転速度を得られると思います.重心位置・高さ・慣性モーメントは必須ですが.そんな意味で3DCADは威力を発揮すると思います.

kojima さんのコメント...

すみませんが,
> 摩擦力の限界によるスリップ・スライドと,遠心力による回転力を比べて,
とはもうちょい具体的に言うと何になるのでしょうか?
というより,旋回速度を制限しているのはどの要素かというのが難しいですね.
・遠心力
・内輪の縦方向のスリップ
・内輪の荷重が抜けること

福井 さんのコメント...

ロボットにかかる遠心力をf
車輪の外側から中央までの距離をw
重心高さをh
タイヤの進行方向に対して垂直方向に対する動まさつ係数をμとする.
回転運動は等速運動であり,
重心は車輪の中央におかれているものと仮定する.

すると,仮定より内輪にほんのわずかでも加重が残っていればスライドせずに走ることができる(進行方向側は荷重は微小でOK,垂直方向側は外輪がスライドを防いでくれている)・・・と思う.

さて,ここで,力学の初歩より(あるいは,ZMPを用いて考えれば)以下の条件を満たすとき,
内輪に対して上向きの加速度が生じることが分かる.
f>=mgw/h(mgμ>=f)
mgμ>=w/h(mgμ<=f,ただし,この条件を満たす=垂直方向にスリップしていることを意味する)
ここで,f=rω^2であるため,
ω以外の各パラメータを求めれば,円運動における最大速度を求めることができる.
ただし,rは旋回半径,ωは角速度である.

・・・だと思う・・・間違っていたらはずいので消してくださいませー

kojima さんのコメント...

なるほど.どういうことかはわかりました.
しかし,経験的には
> 垂直方向側は外輪がスライドを防いでくれている
というのが受け入れがたいですね.内輪の荷重が半分くらい抜けるとどうしようもなく不安定になるように感じています.しかもうまくやると角加速度をかけて角速度を増加させているときではなく,一定のωで円運動しているときに不安定になりだすときもある.

福井 さんのコメント...

うーん、もう少し考察すると、まさつ円が楕円だからと、局所座標系における回転運動が原因じゃないでしょうか。μは定数ではなく、μ(v,ω)と考えれば、加重が半分抜けた瞬間というよりかは、μ(v,ω)の車軸方向成分がvとωの割合によって減る。で、実験によって計測したμの値/2=μ(v,ω)になった瞬間にスライドしているように見える。

あるいは、車軸方向を中心とした旋回運動を行うと、車両の進行方向をx軸、車軸方向をy軸ととった局所座標系においても回転力がかかる。(重心位置は正確に車軸の中央でないこともあって)
この時、加重が抜け、タイヤ2点接地の拘束によって局所座標系における回転運動をキャンセルできなくなるラインが半分くらいで抜けた状態である。
と解釈できないでしょうか。
ただ、ここまで解析しようとすると、慣性モーメントが必要なはずです。慣性モーメントもがんばって求める、あるいは、大きめに見積もらなければならないかもしれません。
また、摩擦円の正確な特性をどうにかして得なければなりません。

重要なのは、慣性モーメントと重心位置の比率のどちらが先に限界がくるということですね。
また、慣性モーメントの増加量に対し、十分大きな重量をマウスの中央に加えることが出来るのであれば(そんな理想的なおもしがあるなら)、普通に車軸の真下に錘をのっけた重いマウスのほうが有利であることが分かります。3点梁になって、車軸の歪みも軽減できます!
さぁ、こじまうすに劣化ウランをのっけるんだ!

kojima さんのコメント...

荷重が半分抜けた瞬間というのが本質ではないとは思います.摩擦円が楕円というのも実際そうなっているでしょう.
ただ,μ(v,ω)が未知数だとどうにもならないんですよね.

さて,重心位置が車軸より5mm前方にあって2mgの遠心力が働いているとすると,z軸まわりのモーメントは
 2 * m * 9.8 * 0.005 = 0.098m
これを打ち消すために両輪に要求される縦方向の力Fは,w=30mmとして
 F * 0.03 * 2 = 0.098m
 F = 1.63m
となるから,1.63m/s^2で加速しているときの力に相当する.それほど大きいとは思わないが前重心のマウスが増えているということはけっこう効くのだろうか?

少なくとも劣化ウランはのせません.

福井 さんのコメント...

あんまり大きくないとは言え,ここまで出した式だけ見ると(重要),きちんと回転運動中は等速直線運動すると仮定すれば,重心が前だとむしろだめっぽいですよね.

カーブ直前,舵を切る直前の最も美味しいポイントでも荷重を摩擦係数の低い家具スベールに奪われて,車軸方向の摩擦力を殺してしまっています.

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