2010年11月7日日曜日

フォトセンサ2

  外乱光が定常かつセンサ出力が光強度に比例するならば前回のように簡単な回路,簡単な処理でほしい信号だけを取り出すことができる.実際にはそうはいかない場合がありうるので思いつくことを挙げて考えてみる.

・フォトトランジスタは反応が遅い
  フォトダイオードはほとんど時間遅れなく信号が出るが,フォトトランジスタは50us程度と遅い.しかも光強度によって反応時間が変化するため,CRハイパスフィルタなどで外乱光除去するのは困難である.そのため,LEDを発光させてから50us程度待ってからサンプリングし,ソフトウェアで外乱光を除去する方式の方がよい.

・外乱光は定常ではない
  カメラのフラッシュについては回路で除去するのは困難であるが,ソフトウェアで除去すればよい.白熱灯のようなものはほとんど定常光だと思われるが,つくばカピオには100Hzで強度が変化するライトがある(蛍光灯も同様に100Hzですが,弱いので地区大会などでは問題にならない).でもこれも50usから見れば長周期なのでなんら問題はないはずである.

・外乱光だけでフォトトラが飽和するかもしれない
  そうならないように挟角,高輝度のLEDを使い,十分余裕をもたせて電流-電圧変換抵抗を選ぶ.余裕をもたせると分解能が犠牲になるが,フォトセンサにはそれほど分解能は要求されない.こじまうす6Aでは200/4000くらいしかでていない(ただの設計ミスともいえるが).

・フォトトランジスタの非線形性
  ハーフマウスに使うために小さい素子を選ぶと,線形性がかなり悪い.LEDも小さくもともとS/N比が小さいこともあるが,懐中電灯で照らすと無視できないほど出力が変化する.引き算で外乱光を除去できない.中部地区大会のときはなんとかなっていたが,全日本大会ではやられる可能性が高い(ああいう会場は赤外線が強い).回路ではどうにもならないが,ソフトウェアで外乱除去する方式だと非線形性を考慮する余地があるといえばある.

6 件のコメント:

福井 さんのコメント...

フィルタリングの話が聞きたいです...
特に,S/N比について論じている人はほぼいないので,そのへんは貴重だと思います.

kojima さんのコメント...

フィルタリングというとどういう話でしょうか?
あまり頑張った記憶がないのでピンときません.

福井 さんのコメント...

最近センサーの微分値を取ることにドはまりしていたりします.
ノイズが大きくて使い物にならなかったりします.

kojima さんのコメント...

微分ですか.マウスの壁面に対する進行方向を得ようと試みたことがありますが,うまくいく気配が全くなかったのであきらめました.でも目的にもよると思います.壁切れとかですか?

福井 さんのコメント...

壁面を使ったD制御で迷路に対してまっすぐに走ろうとしています.
(PICOなどはPD制御を使っています.)

小峰さん方式も試してみたのですが,
満足のいく走りにならないんですよね.

kojima さんのコメント...

D制御ですか.難しいですね.

私のマウスの直進は
P:センサ値(正確にはセンサ値は距離に対して非線形なのでテーブル変換で距離になおして使っている)
D:角速度(ジャイロセンサ)
で制御しています.

実際にはもうちょっと頑張っているところでもあるのでそのうち記事にします.

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