2013年12月21日土曜日

スリップ角3

前回から4ヶ月も経ってしまいましたが,スリップ角に関する続きを詳しく書きます. 前回はスリップ角が
β = θr - θm ...(1)
であること,遠心力に比例すると仮定すれば
acen = k × β ...(2)
と表されることを書きました.

遠心加速度acenは速度vと旋回半径rを使って,
acen = v2/r ...(3)
であるので式(2), (3)から
v2/r = kβ ...(4)
を得ます.

機体の角度θrの時間微分は角速度ωであり, 移動方向の角度θmの時間微分はv/rなので, 式(1)を時間微分すると,
dβ/dt = ω - v/r ...(5)
となります.

式(4)を使って式(5)からrを消去すると,
dβ/dt = -kβ/v + ω ...(6)
を得ます. 定数kを経験的に与える必要はありますが,スリップ角βの微分方程式を得られました. これを積分すれば,スリップ角を推定することができます. 式(1)から実際の移動方向θmを得ることができますので 前々回に示した普通のオドメトリの方法で自己位置推定ができます.

I write the detail of slip angle, though four months elapsed from last time... In the last post, it is explained that slip angle is defined as
β = θr - θm ...(1),
and the following equation can be obtained by assuming a proportional relationship between slip angle and centrifugal force,
acen = k × β ...(2).

Using velocity v and turning radius r, centrifugal acceleration acen becomes
acen = v2/r ...(3).
So, equations (2) and (3) give
v2/r = kβ ...(4).

Here, the temporal differential of the direction of the robot θr is angular velocity ω, and the temporal differential of the direction of actual movement θm is v/r. Therefore, the temporal differential of equation (1) gives
dβ/dt = ω - v/r ...(5).

Using equation (4) to erase r in equation (5),
dβ/dt = -kβ/v + ω ...(6)
can be obtained, which is the differential equation of slip angle β. Although the constant k is required to be determined empirically, slip angle can be estimated by integrating this equation. Since the actual moving direction θm can be obtained by equation (1), general odometry method gives the location of the robot, which is shown in the post before last.

2013年12月8日日曜日

照明環境

ふと思いついたので,メモ.

昨年から全日本大会の照明環境は会場によって大きく異なることとなった.それまでも会場に左右されることはあったが,今年は特に会場が体育館だったこともあり,かなり暗かった.一部のマウスやトレーサを除くと通常暗い方がロボットにとっては有利である.と思っていたが,オートフォーカス用の赤外光を考慮するとむしろ不利かもしれない.

つくばカピオなどの強烈な照明環境下では十分明るいので,フラッシュはほとんど必要ないし,オートフォーカス用の補助光をカメラが発する必要もない.そこで,ロボットは極めて強い定常光のもとで正常動作すればOKであった.しかし,今年のように全体が暗いと,オートフォーカス用の照明があちこちから非定常に照射される.これは禁止されていないので,フレッシュマンといえども対策の必要がある.わりと指向性があって赤外にピークのある光なので実はフラッシュと同じくらい厳しいのではないか.

ハーフマウス決勝ではスタートセンサも誤動作していたようなので,今後ちょっと考慮しておいた方がよさそうである.

2013年12月2日月曜日

クラシックかハーフか

ちょっと思いつきで書きます.話題は,「これからマウスをはじめる人はクラシックマウスかハーフマウスかどちらがよいか?」である.以下の内容はもちろん私見である.しかも思いつきなので議論の詰めは甘い.

結論からいうと,ハーフマウスである.理由は下記のとおり.

  1. 時代の流れがハーフマウスだから
  2. 迷路を準備しやすいから

まず1番.今年の全日本大会でアールティがハーフマウス用の壁柱セットを配っていたこと,来年からハーフマウスにフレッシュマンクラスが新設されることからわかるとおり,今時代はハーフマウスである. (あまり強く主張すると自分の得意な方向へ引き込んでいるようで気が引けるが...)

2番目.迷路を準備するというのは非常に重要.迷路がないと楽しくない上に速くもならない.

一方,反対意見として以下がありうる.

  1. 小さく作る必要があり初心者には難しい
  2. 設計の自由度が下がり多様性がなくなる

1番目はわからなくはないが,マイクロマウスはスタートから出られるようになることさえ難しいというのでよいと思うし,ネット上には情報があふれているので問題ないでしょう.そもそもマウスが難しいからトレースがあるわけで,なんとなく存在する「クラシック → ハーフ」の流れは本来は「トレース → マウス」ではないのかと思う.

2番目も否定はできない.ハードウェアの多様性は多少下がるかもしれないが,それでもハーフマウスにもそれぞれ個性があるし,何より作るのが難しい分ハードウェアに製作者の苦労が見えるのが面白い.加えてソフトウェアの方は,32x32と迷路が巨大なおかげでそれぞれの探索や最短経路の計算方法の違いが見えてくる.クラシックではなかなかソフトウェアの個性が見えない.

もちろんそれぞれが面白いと思う方をやればいいと思います.言うまでもなく楽しめるかどうかが一番重要です.

2013年11月24日日曜日

全日本大会2013

今年の全日本大会が終わりました.参加者,スタッフのみなさんお疲れ様でした.

23日の予選はクラシックはこじまうす7CLがシード権を持っていたので出走なし.ハーフマウスはこじまうす7はシード権を持っていたので出走なしでしたが,新作こじまうす9を予選通過させるべく走らせました.詳細は後日書きますが,これがどうしようもなく不調で探索しかできず,予選落ちだと思ったのですが,今年は予選通過タイムが例年より遅く,本当に運良く予選を突破できました.

予選(23日)
競技 ロボット名 記録(秒)
ハーフサイズ こじまうす9 21.324 予選通過

24日決勝は,クラシックは速く走るという観点からは迷路の難易度が高く,最短走行をできないマウスが多かったこともあり,こじまうす7CLはそれほど速いパラメータで走りきったわけではありませんが,6位入賞と良い結果でした.

ハーフサイズは前日の不調原因を解決できていたので探索の途中でこけたものの,重ね探索の結果おそらく真の最短経路を走ることができ,しかも高いパラメータで走りきったので非常に良いタイムが出ました.今年も優勝でき,これでハーフマウス3連覇となりました.

決勝(24日)
競技 ロボット名 記録(秒)
クラシック こじまうす7CL 10.844 6位入賞
ハーフサイズ こじまうす9 7.124 優勝,ニューテクノロジー賞

2013年11月22日金曜日

全日本大会試走会

いよいよ前日になりました.

こじまうす9の調整を行ったわけですが,なぜかフル迷路(といっても16x16なので予選のフルに過ぎないのですが)で走らせると調子が悪い.というより電源投入時から調子が悪い.電源LEDは点くのにレギュレータ後のLEDが点かない.当然マイコンも起動しない.

よぉく見てみると写真のようにちゃんと半田付けできていない部分を発見.これが原因だといいんですが...

自宅に戻り落ち着いて考えてみると,途中よかれと思って書き換えた部分がバグになっていることに気付いたりまだまだこの機体は掴みきれないことが多いですね.

2013年11月20日水曜日

調整中(3日前)

バグっぽい動きはほとんどなくなり,予選程度の迷路なら探索走行,最短走行ともに問題なく走れそうになってきました.ところが,やはりあの巨大な決勝迷路を考えるとまだまだという気がします.

今年は4輪なので直進の速度は高められる可能性があります(まだ評価していない...)が,ターン速度は遅くなってしまいました.特に45度ターンは現状1割近く低下しています.

2013年11月19日火曜日

調整中(4日前)

マウスの調子がよくなるに従い,製作者の調子は...

マウスの調子がよくなっているだけましである.実はリセット病っぽい症状が数回出ていますが...

こんなターンばかりの迷路を走らせているとゆううつになる.が,これくらいを走れないと本番で記録を残せない.これでも実はスローで見ると帰りの最後は相当ふらふらです.

そろそろ探索走行の安定化を図ろうかと思って探索させて見たら,見事にゴールまでたどり着けない.変なスラローム旋回をしたり,スラローム開始位置が致命的におかしかったり...調整というよりデバッグをする必要がありそうです.

2013年11月17日日曜日

調整中(6日前)

6日前というとまだ日がありそうですが,実質もうほとんど時間がありません.探索は後回しにして最短走行用の調整をひたすら行うもまだ完成せず.

かなりよくなりましたが,45度ターンの難易度が高く未完成.他のターンもどうも成功率が低くもう少し検討の必要がありそうです.

ところで,昨日のオペアンプの件,4つと書きましたがエンコーダにも使っていたので6つでした.54mA消費ですか.オペアンプだけで1C放電...

2013年11月16日土曜日

調整中(7日前)

今日,痛い設計ミスを発見した.

こじまうす9のフォトセンサはフォトダイオード+オペアンプの構成にしたが,オペアンプがひとつあたり9mA食う.4つあるので,36mAも食う.以前から電流が流れすぎていることは把握していたが,オペアンプが消費していたとは.

実はそれに加えてマイコンのポートをひとつ壊してしまっていて,常時20mAくらい余分に流れている.合計50mA以上想定より多く消費していることになる.バッテリ切れというオチにならなければ良いが...

走行の方は,ターン速度があがらない.4輪なのでやはり旋回が苦しく,スラロームモードに入ってから実際に旋回するまでに時間がかかりすぎる.4輪に適したスラロームを考案すべきだろうがさすがにそんな時間はない.

こじまうす9が完走すらできずに予選落ちする夢を見た.起きる前から休日マウスモードに入っているようだ.

2013年11月13日水曜日

調整中(10日前)

とうとうあと10日で全日本大会予選である.中部地区大会以降,Maker Faireと国際ロボット展でデモ走行をしていたりで新作の調整はあまり進んでいない.デモで相当回数走らせたおかげで旧作のマイナーなバグを2個ほどつぶせたのはよかったが.

といってもなんとかスラローム旋回の目処は立ったので大きな問題は解決した.しかし,デモをしていてこじまうす7の安定度の高さを改めて感じた.これと同等の安定度がないとハーフ決勝のフルサイズ迷路では十分な記録を残せない.と考えるとまだまだである.

2013年11月4日月曜日

調整中

なかなか時間がない中,こじまうす9の調整を進めている.といっても中部地区大会から走行レベルはほとんど向上しておらず,デバッグと様子見くらいしかできていない.

4輪は予想以上に難しく,探索走行の遅いターンをあわせると旋回半径の大きい速いターンがあわず,速いターンにあわせると逆があわない.ターンの種類ごとにパラメータをわければよいのかもしれないが,面倒なので避けたい.

とにかくこじまうす7の安定度と走行性能を確保しないと使えないので相当ハードルは高い.

2013年10月27日日曜日

中部地区大会

今年の地区大会がこれで終わりました.結果は以下の通り.

競技 ロボット名 記録(秒)
クラシック こじまうす7CL 6.201
ハーフマウス こじまうす7 3.205 第3位
ハーフマウス こじまうす9 4.599

クラシックは東日本地区大会に続きまたしても壁を読み間違え真の最短が出ず.

ハーフはこじまうす7が台湾大会優勝パラメータで走っても3位とレベルが高すぎる大会でした.今年はこのマウスでは勝負にならないようですね.新作も完成しているので引退の時期としてはちょうど良いでしょうか.

肝心の新作こじまうす9はひたすらデバッグを繰り返しなんとか完走できるレベルまで行くもまだまだ.

2013年10月26日土曜日

デバッグ

中部地区大会前日試走会に参加し,調整...ではなくデバッグ作業をした.

その前に一応旧型機の動作確認だけはしておいた.動作は問題ないが,あまり高いパラメータは走らなくなってきており,劣化を感じる.ある程度の時間を確保して調整すれば復帰すると思うが,新型機があるので時間をかけていられない.

で,新型機.迷路の走行どころか,ソフトを移植したときにいろいろ不具合があるのか,ただの直進すらままならない.試走終了後にわかったが,FLASHの消去ができなくなっている.書き換えたつもりのパラメータが効いていない気がしたのはこのせいか.でも今は復活.なんかよくわかりませんが新しいハードウェアはこんなもんですね.

明日の競技までになんとか完走できるレベルにならないかなあ.

新型機

昨年は新しい機体を作れず,プログラムの改善だけだったが,今年は新しいハーフマウスのハードウェアを作った.中部地区大会(もう明日...)と全日本大会に参加登録してある.はじめての4輪タイプなので,単純にソフトを移植するだけでは旧型機に勝てないと思うが,全日本までになんとかしたい.


こじまうす9 (KOJIMOUSE9)

番号はマウスをはじめてからの年数でカウントすることにしているので8をとばして9となる.8番が欠番になってしまった.

2013年10月18日金曜日

ノートPC新調

9月末に注文していたvaio pro 11が届いた.その間に次期モデルが発表されてちょっとショックであったが,それほど変更があるわけでもなくむしろ私が注文したときの方がクーポンによる値引きが大きかったので気にしない.

ここ5年間はLet's note T7を使っていたが,さすがにcore2の1.2GHzではちょっと遅いしなによりデジカメで撮ったフルHDの動画を再生できないのが不満であったので,買い換えることにした.

そのために各社の最近のノートPCを見てみたが,タッチパネルのせいで重かったり,右シフトキーが使えない位置に配置されていたりしてわけのわからない方向へ行っている印象を受けた.特に右シフトキーは使わないのが多数派なのか,まともな配置のノートPCはかなり限られてきており使う人にとっては深刻な問題である.選択肢0かと思ったが,唯一vaio proだけはあらゆる要求を必要以上に満たしていた.なんといっても11インチで770gは軽すぎる.何か間違ってるんじゃないかとさえ思う.SONYのウェブページは到底見やすいとはいえず,これまでは見ることもなく選択肢からはずしていたが,今回はわかりにくいページからなんとか情報を取得し,つながりにくいソニーストアから頑張って注文した.

不安なのは,変なデバイスを使っていないかどうかである.なぜなら,未練も愛着もないWindows 8にはリカバリーメディアを作成したら即刻退去いただく予定であり,代わりにいつもどおりUbuntuをインストールする予定だからである.(リカバリメディア作成のためだけにWindowsを起動する...)普通でないデバイスや新しいデバイスはUbuntuでは動作しない.さてどうなるか.

2013年10月15日火曜日

今年の登録完了

今年参加予定の全日本大会と中部地区大会にテクニカルシート含め参加登録完了した.毎回同じことをコピペするのが面倒で仕方ない.全ての地区大会に参加する人たちはもっと大変でしょうね.繰り返し同じことをするのってなぜこんなにつらいのか.来年からは参加する大会の数を減らそうか.

2013年10月1日火曜日

東日本地区大会結果一覧

早くも迷路図含め競技結果一覧が公開されていますね.こうやって一覧を見ると,私のハーフのタイムは計測ミスではないかと思えてきました.

また,全日本大会の申し込みが締め切られましたね.あるマウスないマウス含めちゃんと申し込んだはず.テクニカルシートの締切が10/15ですね.WEB上にさらされる可能性があるので,真面目に書きましょう.とはいえ存在しないマウスのテクニカルシートはいい加減にならざるを得ないよなあ.

2013年9月29日日曜日

東日本地区大会

東日本地区大会に参加しました.この地区大会は初めての参加でしたが,地区大会ながら二面同時並行で進めて一日かかるくらい参加人数が多く,他の地区大会とは雰囲気が違いますね.

競技 ロボット名 記録(秒)
クラシック こじまうす7CL 4.168 準優勝,シード権
ハーフマウス こじまうす7 2.995 優勝
サーキット こじまうす7CL 10.359 準優勝

結果的にはクラシック,ハーフともに現状のほぼ最高速で走れているので大きな問題はなし.台湾大会から変更していないはずなのに会場の試走でハーフマウスがスタート区画から出られなかったときは焦りましたが.現在製作中の新型マウス用にプログラムをコピペしたときどういうわけか書き換えてしまっていたようです.diffが使えなかったら詰んでたかも.

課題もそこそこあり,クラシックマウスの一回目走行で壁を読み間違えて全面探索失敗し,最短経路を選べなかったのは改善の必要あり.仮に最適な経路を選べたとしても優勝マウスのタイムは驚異的でとうてい追いつきませんけど.ハーフマウスの方は台湾大会に続いて昨年の最高速度で走行失敗しているのが残念です.劣化してる?

また,長い直線を使うチャンスと思い,今回は締切直前にサーキット競技にも登録していました.このクラシックマウスの機体は今年で3年目になりますが,おかげでようやく挙動がつかめてきました.やはり迷路がないとマウスは速くなりませんね.

ハーフマウスの迷路は以下のとおり.必ずしも選ぶ必要はないけど長い斜めが含まれています.

次は中部地区大会の予定.それまでに新作を完成させよう.

2013年9月28日土曜日

東日本地区大会前日

バッテリの充電は完了.ゴール位置も設定した.他はなにも調整していない.クラシックマウスをサーキット競技に参加登録したが,このマウスはサーキットモードを持っていないかもしれない.今から確認しよう.

2013年9月21日土曜日

東日本地区大会登録完了

どうも登録って面倒で後回しになってしまうが,締切も近いのでがんばって東日本地区大会に登録した.

エントリー状況を見ていると,ハーフマウスもそれなりの参加台数はあるんですね.それでもまだまだ少ないですが.

2013年9月20日金曜日

台湾大会動画

先日の台湾大会では優勝の楯として非常に立派なものをいただきました.中央のキューブが気持ちよく回転します.

ところで,走行動画が早くもアップロードされていますね.

なんとか斜めの走行速度をもっと上げたいところです.

2013年9月17日火曜日

台湾大会結果

試走会ではハーフ,クラシックともにぼちぼちの走行ができていましたが,本番では...

ハーフは 13.05 sec で優勝.2位のタイムが 13.13 secだったのでかろうじて勝てたというかんじでしょうか.迷路は写真のようにいわゆるラーメンと長い斜めを含む21×21区画でした.タイムからもわかるようにゴールまでが長い.

クラシックは探索に2回失敗し,その後一応探索完了して最短走行もできたけどタイムはそこそこ.

詳しくはまた後日余裕があればということで.

2013年9月13日金曜日

台湾大会直前

今年は台湾大会に招待いただいたので,参加してきます.が,眠い.頭が回らない.とりあえずハーフマウスが動くことだけは確認できたのでよしとする.

2013年8月18日日曜日

スリップ角2

前回,マウスが高速ターンではタイヤの向いている向きには進まないと書きました.図のように左ターンしているとすると,ロボットはθrの向きに向いていますが,実際の移動方向はθmの向きです.この角度差がスリップ角です.通常,マウスの向きはジャイロセンサの出力を積分して得るので,直接推定できるのはθrです.スリップ角β=θrmを予測できれば,θmがわかるので,前回の一般的なオドメトリで自己位置推定ができます.

Last time, I wrote that a micromouse does not proceed in the direction of the tire in the high-speed turn. When it is assumed that a mouse turns to the left as shown in the figure, the direction of the robot is θr, but the direction of actual movement is θm. This angular difference is the slip angle. Usually, the direction of the mouse is obtained by integrating the output of the gyro sensor, so you can estimate θr directly. If you can predict the slip angle β=θrm, the general odometry will give more precise self-position written last time.

ところで,マウスが走りながら旋回するためには向心力が必要ですが,これはタイヤが変形したときの反発力です.そしてこの変形分がスリップ角になるわけです.簡単のため向心力(遠心力)とスリップ角が比例関係にあるとすれば,遠心加速度acenとスリップ角βは比例係数をkとして次式の関係になります.
acen = k × β
これを用いてスリップ角を推定します.つづきは次回.

By the way, centripetal force is required for the mouse to turn, and this is a repulsive force when the tire is deformed. This deformation causes the slip angle. Assuming a proportional relationship between slip angle and centripetal force (centrifugal force) for simplicity,
acen = k × β,
where k is the proportional coefficient and acen is centrifugal acceleration. Slip angle can be estimated using this. Continued next time.

2013年8月9日金曜日

リンク追加

スリップ角に関する話題はそのうち続きを書くことにして,今回はブログ紹介をします.

昨年の中部地区大会のロボトレース競技になんか変な(ユニークな)動きをするロボットがいましたよね.これですね.

このロボットは全日本大会には参加せず惜しむ声がちらほら聞こえていましたが,彼はまたおもしろそうなものを作っていますので要注目ですよ.というわけで,ブログへのリンクを追加しました.

2013年7月30日火曜日

スリップ角

スリップ角に関する情報を教えてほしいという要望がありましたので, 数回にわたって書きたいと思います. ただし,日本語で書きますのでご了承ください.(Japanese sentences here were tuned for "google translate".)

まず,オドメトリによってマウスの位置を推定していることを前提とします.つまり,
x = v × cos(θm) × dt
y = v × sin(θm) × dt

x, y: マウスの座標
v: マウスの速度
θm: マウスの進行方向の角度
dt: 制御周期(位置更新間隔)

この方法で計算した場合,高速ターンでは正確な自己位置推定ができません.その主要因はタイヤの変形によって生じるスリップ角だと考えています.スリップ角とは,タイヤの向きとマウスの進行方向の角度差です.低速ターンでは,両者は同じ向きなので,スリップ角はゼロです.しかし,遠心力が強くかかる場合にはタイヤの向きにマウスは進みません.

そこで,スリップ角を考慮してθmを見積もることが重要です.続きは次回.

2013年7月15日月曜日

関西地区大会

関西地区大会に参加しました.

クラシックはまあ,段差に勝てずハードウェアの弱さが出た結果に...

ハーフは路面の状態がよく,経路に長い直線がないのでジャイロの不具合が出ることもなく非常に調子良く走りました. 昨年の最高速ではやはり今年は勝てないようで,あまり使うことを想定していないパラメータで勝負してなんとか優勝. さすがにはじめて迷路を走るロボットに負けるわけにはというところですね.

競技 ロボット名 記録(秒)
クラシック こじまうす7CL 52.416
ハーフマウス こじまうす7 3.756 優勝,シード権

昨年より速いパラメータ.帰りにこけてますが.

2013年7月13日土曜日

試走会

関西地区大会前日の試走会に参加しました.バグが見つかったり持病のジャイロ不具合が出たりで順調ではありませんが,時間いっぱいわりと真剣に調整してなんとかごまかせるレベルに押さえ込めたでしょうか.

一番怖いのは段差.引っかかったらあきらめます.

最後に斜めの走行テストをしましたがあまり速度を上げると走れず残念.たまにはNG動画をアップします.

2013年7月12日金曜日

関西地区大会試走会前日

明日は試走会ですね.今のところ私のマウスも動作していますし楽しみですね.

わざわざ京都まで行くのは遠いのですが,大会に参加するとやる気が出るので重要です.

ところで,マイクロマウスはかなり技術的なことに対してオープンでその製作過程がブログで紹介されることはよくありますが,中でもRTのブログは詳細に記録されているので良いですね.こういうのもモチベーションアップにつながるので重要です.

2013年7月6日土曜日

ジャイロセンサの調整

懸案事項であったジャイロセンサの比例係数を適切に設定しようと試みた.

とはいっても,実際にはじめてみると走行速度によって回転角が違う.もちろん左右によっても違う.走行中に零点がドリフトしているのか,高速になると電源電圧が不安定になるのか,センサの出力が非線形なのかなど原因はいろいろ考えられるが問題の切り分 けができない.

結局,AD変換で得られた値から角速度を計算するときに非線形性を考慮して二次の多項式で変換することにした.また定数が増えてしまったが結果はなかなか良く,低速から高速まで角度を精度よく得られるようになった(と思う).いろいろな迷路パターンを走ってみないとよくわからない.

とりあえず,昨年の水準で走れることを確認できた.しかしタイヤが劣化しているのかどうもグリップが落ちているような気がする.

マイクロマウス関西地区大会参加登録

関西地区大会の申し込みを完了した.新作はまだ設計段階なので古い機体で登録した.

先日の合宿のときにジャイロセンサーの信頼性が低下していて高速走行が安定しないことがわかった.ちょっと真剣に調整してみることにする.

2013年6月17日月曜日

マイクロマウス合宿

マイクロマウス合宿は今回で5回目だそうですね.60人近くも参加者が集まるというのはすごいことだと思います.

私も何かしゃべっておこうと思い,このブログでも情報を小出しにしている足回りの製作状況を一挙公開しました.

いろいろと刺激を受けましたが,後輩の新作マシンが昨年の優勝マシンを超えたというのが衝撃的でした.ここまで速くなっているとは.

次の大会は7月14日@京都.私の新作は間に合わない.昨年のマシンを再調整して何とか戦えるレベルを維持できるだろうか.

2013年6月10日月曜日

シャフト

ホイールにベアリングを埋め込むようにしたので,シャフトはそのベアリングを保持してくれればなんでもよいことになります.

いろいろ考えた末,以下のようなものを使ってナットでマウントに固定します.

2013年6月8日土曜日

ホイールの切削

前回設計したホイールを実際に削りだしました.実際には,切削して失敗して切削してを繰り返しながら設計が進んでいるわけですけどね.

白のポリアセタールを2mmのスクエアエンドミルで切削しました.G-codeは,生成プログラムをpythonで書いて作りました.加工時間は1個あたり15分くらいです.

4輪だと4つもホイールが必要ですが,まあ勝手に削りだしてくれるのでだいぶ楽ですね.

2013年5月25日土曜日

ホイールの設計

以前CNC加工機を導入してからかなり日数が経過してしまいましたが,足回りの設計を行いながら少しずつテスト加工を繰り返していました.

結局ホイールとしては以下のようなもので落ち着きそうです.ポイントは,dNanoのタイヤDNT001-10を少し伸ばして装着できるように直径を10mmとしたこと,ホイールにベアリングを埋め込みシャフトを回転させないようにしたことでしょうか.前者については,昨年まではタイヤ径とほぼ等しい直径9.2mmだったのですが,この場合ちょっとスカスカになりがちだったので今年は10mm径としました.昨年までは加工の問題もあってホイール径が制限されていましたが,この点今年は自由に設定できます.また,後者のベアリング埋め込みについては中グリ加工が必要なので加工機のおかげで実現できます.なお,ベアリングはミネベアの内径1mm,外径3mmのミニチュアボールベアリングL-310を使います.

2013年5月17日金曜日

2013年マイクロマウス合宿

今年もマイクロマウス合宿があるようです.

昨年は人生を決める戦いを控えていたので参加できませんでした.

今年は関西開催ということで遠いなあ,スルーしようかなあなんて思っていましたが,やはり参加することにしました.何もネタを準備できずただ行くだけになりそうですが.

ということで,延長された締切が明日とぎりぎりですが,皆さんも参加しましょう.

2013年5月12日日曜日

STM32F4

STM32F4デバイスはF1に比べると同じクロックなら消費電力は減少するし,浮動小数点演算できるし,RAMも巨大で非常に魅力的である.昨年使える状態まではもっていけてるので,今年は実際にF4を使ってマウスを作りたいところである.F3という選択肢もありうるが.

昨年作った試作基板に関する情報をアップしておいた.

2013年3月10日日曜日

KitMill BT100 導入

久しぶりの更新になります.というより今年初めての投稿ですか.

今週末は少し時間がとれたので,とりあえずマウス作るには道具が必要だろうということで,オリジナルマインドのKitMill BT100を購入して組み立てました.何か加工するのが楽しみというより組み立てることそのものが楽しかったですね.

作ったはいいけど,切りくずの問題があるのでケースに入れてから使いたい.でも作るの面倒.そして,BT100のパーツが入っていた段ボールがじゃま.この段ボールかなり頑丈なんですよね.これをケースにすると一石二鳥か.

しかも,同じ箱が2個あるわけで,密閉して騒音低減.騒音カット効果はそれほど大きいわけではありませんが,もともと音は小さいので大丈夫でしょう.それより中が見えないのはあまりよくない.

で,動作テスト.当たり前なんでしょうが,手順通りに作れば何らトラブルなく動作しますね.testプログラムで2mmのエンドミルを使ってPOMに "TEST" の文字を切削.

さて,これでマウスのパーツを作れるのはいつになるでしょうかねえ.